~Live and Let live~

AAにつながったばかりの頃、僕は他の仲間の言うことに、しょっちゅう腹を立てていたような気がします。そうして、自分と考え方の違う人を、「この人は酒はとまっているけど全然回復していない!」と内心で断罪していたのです。

自分自身も酒がとまりだしたばかりの頃で、まったく心に余裕がなかったですし、ステップにも全体を通して取り組んでいなかったので、恨みは貯まる一方でした。現在であれば、その恨みが自分のまちがったプライドや、自分の意見が受け入れなければ、そこでの居場所を失ってしまうという存在を脅かされるかのような気持ちになり、本能が傷ついた結果の自己中心的な考えだということがわかるのですが。
それに、人を裁こうとすれば、自分自身をもその「裁く視点」で吟味することになりますから、自分で自分を苦しめることにもなります。

ビッグブック第二章 「解決はある」p30に、こう書かれています。「人の短所や違う意見を心からゆるせること、人の意見を尊重できること、そうした態度があってこそ初めて、人の役に立つことができるのだ」この箇所は、当時の私に、自分に不足しているものを教えてくれました。アルコール依存症者が陥る考え方の罠が、この本にはたくさん書かれています。だからこそ、私はビッグブックに惹かれたのだと思います。同じ章のp28に「共感がなければ何をしても無駄なのである」と書かれていますが、この本はぼくに心からの共感を示してくれているように感じました。

さて、「おのれはおのれ、ひとはひと」というテーマですが、人との考えの違い、生き方の違いはいくらでもあり、同じアルコール依存症者の集まりのAAの中ですら、仲間との違いを探すのは簡単です。この人は軽症/重症/家庭があるから/ないから酒がとまったのだ、この人は生活保護だからだめだ、この人はステップの話ばかりで気に入らない、この人は偉そうだ、自分はこの人達ほど重症ではないからもう少し飲もうなどなど、人との違いから恨みを抱くのは簡単ですし、恨みをアテに酒を呑むのもまた簡単なのです。

人のことは、「変えられないもの」ですし、自分自身の態度や生き方は、「変えられるもの」です。他人に腹が立つことがあっても、まずは自分自身の回復に専念し、回復のために必要とされていることに取り組む必要があります。そんな固い話だけでなく、自分自身が楽しめることをたくさんやるというのも、回復初期には良いと思います。その例を次回紹介いたします。

12 Step and me おのれはおのれ、ひとはひと Click To Tweet