僕の行った埋め合わせについて

以前に行った埋め合わせの行動で、心に残ったことに着いて書きます。

相手は10年ほど前に勤めていた会社に、新卒で採用された方です。A君としましょう。彼は僕のエンジニアチームに、自分の部下という形で入ってきました。

僕は当時29歳、ベンチャー企業のエンジニア部隊の長をやっていて、自分の力でこの会社を大きくするのだと燃えていました。酒も沢山飲んでいた頃です。
A君は新卒でIT業界の経験もなかったため、本来であればじっくりと時間をかけて教育するほうが良いのですが、会社の方針もあり、OJTという形ですぐに業務に携わってもらっていました。彼の仕事は保守契約を結んでいる顧客の問い合わせ対応でした。彼の方でわからないことは、僕の方にエスカレーションしてもらって、対応方法を指示する。彼に対応が難しい内容の場合、僕が対応するという方法でした。

A君は僕の目から見ると非常に頭がよく、優秀でした。エンジニアとしての能力は、さほど時間がかからずに身に付くように思いました。ただ、顧客への接し方(言葉遣いなど)や、遅刻欠勤の多いことから、かなりキツい叱り方もしていました。
また、彼の対応が良くないのは僕の指導が良くないからということで、僕も上司から度々叱責を受け、ストレスが溜まっていました。

ある日、僕の指示において彼が対応したことで、顧客からのクレームになるという事が起きました。経緯を聞くと、彼は僕の指示通りに対応をしており、まずかったのは僕が指示した内容そのものでした。
そのときに、僕はこれ以上上司から叱責されて自分の評価を落としたくないという気持ちや、彼にしょっちゅう迷惑をかけられているという恨みの気持ちから、上司への報告を捻じ曲げ、彼に全面的に非があるように操作したのです。

結局彼に非があろうとなかろうと、関係なく僕は上司から叱責されたのですが、自分の責任を自分の部下、それも新人になすりつけたことは、ずっと僕の心に後悔や恥として残り続けました。また彼に合うことがあれば、俺はどんな顔をして挨拶をすればいいのだろう。そう思ってずっと苦しんでいました。

月日が経ち、埋め合わせの行動をすることになりました。彼以外の埋め合わせに関しては、どんどん進めていけたのですが、彼に対して埋め合わせをする勇気はなかなか出ませんでした。自分のしたことが、僕にとってあまりに恥ずべきことだったからです。
ある日、僕は意を決してA君に連絡を取りました。彼のことはずっと気にしていて、彼がFacebookにいることはわかっていたので、友達申請を送りました。無視されるかと思っていましたが、意外なことにすぐに承認されました。

僕は他の埋め合わせは原則顔を合わせて行っていましたが、彼に対してはメールで行いました。遠方のため、どうしても会いにいく算段が立たなかったためです。
僕は率直に、自分のしたことを彼に伝え、精一杯の誠意を込めて謝罪をしました。
彼からは、すぐに連絡がありました。彼からの返事は、それがいい経験だったとは思っていないが、全く恨んでいないこと、今はそういったクレームを避けるために気をつけていること、元気にIT業界で働いていること、そういった内容でした。その後なん往復かお互いの近況報告をし、また仕事で会うことがあれば、宜しくお願いしますという形でおわりました。

僕のしたことで、彼がIT業界を嫌になってしまっていないことがわかったことが、一番うれしかったです。安心して、涙が出ました。
彼に対する埋め合わせは、この直接的なものだけではなく、次に同じような状況になったときには、恐れをすてて正直な行動をすること、彼のために祈ること、そういった事が必要と思っています。

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