~神に対し、自分に対し、そしてもう1人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた~

「もう1人の人」を誰にお願いするか

さて、それでは今回も、ビッグブックのステップ5に関する箇所を読みましょう。二箇所あります。まずは第一章 ビルの物語 P20の1行目〜2行目(ここはビルのステップ4〜5です)。2つ目は、第6章 行動に移す P104の1行目~P109の5行目です。

あなたは、「もう1人の人」に対して、ステップ4で作った恨み、恐れ、性のリストの内容と、あなたの欠点をありのままに話す必要があります。

もう1人の人の役割は、殆どの場合、あなたにステップを手渡してくれているであろう、スポンサーにお願いすることになると思います。それ以外のケースを、私は身近には知りません。ビッグブックを読むと、そこにはスポンサーという言葉が登場しないことに気づくでしょう。それは、ビッグブックの初版が執筆された当初、スポンサーシップという概念がアルコホーリクス・アノニマスには存在していなかったためです。従いまして、ビッグブックは聖職者や医者、心理療法士などに聞き手をお願いすることを提案していますが、今日ではこの役割をスポンサーにお願いするのが主流となっています。

あなたのスポンサーは、この役割を引き受けることを、非常に喜ぶび名誉に感じるでしょう。あなたの話が何時間に及ぼうが、数日かかるものだろうが、喜んで付き合ってくれるはずです。それは彼らにとって、飲まない生き方を続けるために必要な、ステップ12の実践にほかならないからです。それに、あなたが信頼してくれているということですからね。人から信頼されて嬉しくない人なんていませんよ。

良識のあるスポンサーは、自身が神の代理として、あなたの話を聞く役割を与えられたことを理解しています。ですので、あなたがどんな話をしようが、彼らはそれを他に漏らすことはないでしょう。また、あなたが自分自身のことを包み隠さず話しても良いと思えるような、信頼できる、かつ12ステップの経験がある仲間にスポンサーシップをお願いするようにしましょう。

おごりを捨て去る

さて、もう1人の人に、なぜあなたの欠点や過去の破壊行為の残した残骸について、話す必要があるのでしょうか。あなたは勇気をもってステップ4の棚卸表を作りました。その過程で、神に対し、心の底から自分の問題を認めたじゃないか。さらに苦しいことを12ステップは求めるのかと、あなたは感じているのではないでしょうか。

ステップ4だけでは十分ではない理由はいくつかあります。まず、もう1人の人に何もかもを包み隠さず話すことで、私達は肥大した自我を捨て去り、謙虚さを身につける必要があるのです。先程説明したように、この聞き手は神の代理です。その聞き手に対して話すことができずに、神に対し正直になることなどできないのです。

もう一つは、人間は自分に対しては甘い採点をしたり、自分のことをよくわかっていないことが多いからです。会社員の方は、会社の人事評価を考えてみましょう。多くのやりかたでは、まずあなたは上司に自己評価の表を提出すると思います。その後、上司からのフィードバック面談が行われます。優れた上司であれば、客観的かつ公平にあなたの自己評価を吟味し、育成効果やモチベーション向上を考慮したフィードバックを与えるでしょう。そして評価と査定が確定され、今季の賞与や昇進の有無などが決まるという流れだと思います。

その際、あなたの自己評価がおかしければ、正確な評価をするべく、上司から指摘と修正が入ることでしょう。ステップ5もある面では同じです。スポンサーは必要と感じれば、あなたの棚卸表に疑問や確認、別の観点からの指摘を入れ、あなたが自身の欠点をはっきりと掴む手助けをします。あなたの欠点はまさにあなたの生き辛さの正体ですから、スポンサーあなたが楽に生きることができるようになるための手助けをすると言えるでしょう。

次のステップに進む前に

さて、あなたは何一包み隠さず、このステップを終えたことでしょう。あなたの主な欠点はなんでしたか。あなたの何が傷つけられる(もしくは傷つけられる恐れを感じる)と、その欠点が表に出てくるのでしょうか。答えられるようになりましたでしょうか。このステップを終え、晴れ晴れとした気持ちになったことでしょう。やってみたら、始める前に想像していたよりも遥かに簡単であったことに気がつくと思います。

やり遂げたことがどんなに嬉しくても、今日はまっすぐ帰宅されることをおすすめします。あなたは本当はめちゃめちゃに疲れているはずです。依存症者は疲れに無自覚なことが多いので、気をつけてくださいね。そして、一休みしたら、ステップ1から5を再度吟味し、やり残したことがないかチェックしてください。

それでは立ち止まらずに次のステップに進みましょう。ここで満足して立ち止まっていはいけません。あなたの欠点はまだそのまま残っています。放っておけば、また恨みや恐れが溜まり、生きていくことが苦しくなっていってしまいます。棚卸表が明らかにしたあなたのこれまでの生き方を終わりにして、もっともっと楽に生きていきましょう。そのためのステップをこれから先ご案内します。

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