~私たちの意志と生きかたを、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした~

「ゆだねる」とはなにか

ステップ2で、私たちはとりあえず問題を解決してくれる大きな力を信じてみることにし、それに助けを求める決心をされました。しかしながら、アルコール依存症者は、自分以外の力に頼るのが苦手だと言われています。

あなたはどうでしょうか。職場で上司から与えられた仕事が手に負えないとき、適切に助けを求めることはできていますか。部下のいらっしゃる方は、部下を信じて仕事を任せることはできていますでしょうか。細かな手順までいちいち口出しをしていませんか。信頼して任せないとなかなか育ちませんよ。家庭ではどうでしょう。そこの奥さん。夫に家事や子育てのことで口を出しすぎて、結局夫はへそを曲げて手伝うどころか帰宅も遅くなる一方、休みの日はゴロゴロしているだけの何もできないダメ夫ができあがり、ワンオペ家事育児をしていませんか?筆者はイクメン主夫を目指していますので、困ってたら教えてください。ただし美人さんにかぎりま、、

いやそんな話はどうでもいいですね。私のつまらない話よりまず、ビッグブックのステップ3の箇所を読んでもらいましょうか。場所は第一章 ビルの物語 P19の後ろから5行目~P19の最終行までと、第五書 どうやればうまくいくか P87の後ろから7行目~P92の6行目までになります。少し長いですけど、頑張って読んでくださいね。

ステップ1から3までは、まるでセットみたいに語られます。「認めて信じて委ねる」なんて言われます。あなたはステップ1で、自分の問題を自分で解決することができず、生き方がどうにもならなくなっていることを認めました。ステップ2では、医者と自転車屋の例を出して説明させていただきました。とりあえず解決してくれる力があることを信じて、助けてくれ!と叫んだと思います。

ステップ3は、そうですね、例えるならばお医者さんの指示に従うってとこですかね。勝手に薬をやめたりしちゃだめですし、診察日には病院に行かないとだめです。こんな治療は自分には効果がないとか言わずに、試してみましょう。12ステップという治療法には、抗がん剤みたいにきつい副作用は皆無ですし、自助グループに通うことなんかたいしてお金もかからないんですから、ここは信じてみることにして、委ねる決心を是非してみてください。

意志と生き方・神の配慮とは

さて、これまであなたは自分の意志と生き方をどうされてきましたか。きっと自分の意思で好きなように生きてこられたのだと思います。嫌味な言い方だと思わないでくださいね。筆者ももちろんそうでした。ここで考えてみて下さい。アルコール依存症でない多くの方は、自分の意志と生き方をなにか高尚なものに委ねて生きているのでしょうか?違いますよね。彼らも大半の方は自分の意志で好きなように生きているのです。それでいて依存に溺れることもなければ、思い通りに生きていけなくなることもないのです。不公平と思われるかもしれませんが、これはもう仕方ないことです。「変えられないもの」ですよ。

それでは彼我の違いは何でしょう。ビッグブックに答えが書かれています。P89の後ろから5行目~P90の5行目の途中です。我々の行動は頑固な自我による極端な暴走と書かれています。そして我々の自我は、自分本位、利己主義、恐れ、自己欺瞞、身勝手、自己憐憫といったもので作られているそうです。人間は当然だれしもそれらの欠点を持っていますが、アルコール依存症者のそれは極端で暴走するのです。それらを「捨てなければ殺される」と書かれています。捨て去らなければいずれ生き方が苦しくなり、再度酒を飲んでしまうということです。アル中は飲めば最後は死にますから。あなたはどうでしょう。あなたの頑固な自我や欠点が、生き辛さの原因となり、その辛さから逃れるために酒を飲んできたのではないでしょうか。身に覚えはありますでしょうか。

我々は生きていくために、それらの欠点を捨てていく必要があります。ただし神は、我々に欠点を捨て去る能力がないことはよくご存知です。あなたの問題を私に委ねなさい。あなたがやるべきことについては、これから先のステップで伝えますよと、神は言っているのです。なんて配慮の行き届いた神様なのでしょう。さすがです。我々とはちょっと違う気がしますよね。ゆだねてみようという気になりませんか?

それでは、我々依存症者サイドでやらないといけないことは何なのでしょうか。ビッグブックP90~p91に書かれています。まず、自分たちが神のように振る舞うことをやめること。次に、自分なりに理解した神の意志に従うこと。要は、先述の我々の頑固で極端で暴走しがちな自我を使って、自分たちの思い通りになるように物事を取り仕切ろうとすることをやめよ。ということなのです。それは神によって与えられた、すばらしき我々の意志の力の誤用にほかなりませんし、その生き方は周りからの反発や軋轢を生むだけで、うまく行きません。

どうでしょうか。難しくなってきましたね。まず、神の意思に従うと言ったところで、神様が何を考えているのやら、さっぱりわかりませんよね?自分の生き方がどのように間違っているのかわかりますでしょうか。なんとなく生き辛いな。なんとなく他の人のように上手く生きていけないなと思っていても、自分の何がおかしいのか、具体的にはわからないのではないでしょうか。

次のステップから、それらを一緒に明らかにしていきましょう。12ステップの目的の一つは、神とあなたとの間の障壁をとりさり、自分の意思をあなたの理解した神の意向に合わせていけるようにすることなのです。今の段階では、あなたの理解した神に委ねて進んでようという決心があればよいのです。

次のステップに進む前に

まず、あなたが自身の意志を働かせてきたことの例と、それが自身や周りをどのように傷つけてきたか、いくつかリストアップしてみてください。そして、次のステップに進む前に、是非やっていただきたいことがあります。それは祈りです。もしかすると生まれて初めてやることかもしれませんね。ビッグブックの第五章 どうやればうまくいくのか P91の後ろから7行目にかかれている、「神よ、私をあなたにささげます。」から始まる祈りを一緒に祈りましょう。声に出して読んでください。これは、この先のステップを、その効果を信じてやるという決意であり、あなたの信仰のはじまりとなるでしょう。あれ?12ステップは宗教とは関係ないのではなかったのでしょうか?と思いましたか。はい。あなたの理解する神に対する信仰ですので、宗教とはちょっと違います。信仰=スピリチュアリティと言ってもいいかもしれませんね。ちょっと怪しく感じますかね?しかしここは、ステップ2でビルがしたように、偏見をとりさって、すすめてみましょう。

次のステップは、前半の山場になります。ちょっと時間もかかりますし覚悟もいりますが、正直になることさえできれば、実は簡単なステップです。ここで尻込みする人が多いステップですが、認めて信じてみて、委ねてみる気になったら、時間をおかずにぜひ着手してください。熱しやすく冷めやすい人の多いアル中のことです。こういうのは、時間が経つと、やる気が無くなっちゃうことが多いものなんです。

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